あ、仙蔵くん文次郎くん、長次くん小平太くんに伊作くんと留三郎くん も!みんな、おはよう!いい天気だねっ。朝ご飯食べた?あのね、今日の 朝ご飯はね、大根のお味噌汁なの。えへへ、あたしが作ったんだよ!初め て一人で任されちゃったんだ。すごいでしょ!………あれ?みんな、どう したの?そんなに怖い顔して。お腹でも痛い?わわ、まさかあたしのお味 噌汁不味かった!?新野先生、呼んできた方がいい?え、なになに?しら ばっくれるって……あたし別に何も隠してることなんてないよ?あたしが みんなに内緒にしてることなんてないって!嘘吐いたら閻魔様に舌引っこ 抜かれちゃうんだよー?知ってた?あ、その手に持ってるのって、確か 「くない」っていう道具だよね?わー、すごい、ナイフみたいだねー。切 れ味よさそう……。え、今から授業なの?裏々々山でかぁ。実習? へぇ……どんなことやるの?ふくしゅう?授業の復習かぁ。みんな偉いん だね!あたしも見習わなくっちゃ。あたしがみんなの歳の頃なんか遊び 回ってたよー?ダメだよね、えへへへ。
え、きゃぁあっ!い、いた……な、なに?なんでいきなり殴るの?あ、た し、何かしちゃった?何か気に障るようなこと、した?なんで?……ふ く、しゅう?―――復讐?どうして?なんで?あたしが何をしたの? 、くん?だ、だれのこと?あたしそんな人のことなんか知らない!いや ……やめてよっ!どこに連れて行く気!?痛い!髪の毛引っ張らないで よっ!幻術ってなに!?人殺しってなに!?わけわかんないっ!どこに向 かってるのよ、やめて!せ、仙蔵くん!長次くん!みんながおかしいのっ 止めて!ひっ、いや……い、伊作くんまで……?あ、いや、近寄らない で。ここどこ?やめて……どうして、なんでこんな、あたしが何したって いうのよ!わけわかんない!来ないで!お母さん助け、いやぁっ!だめ、 いや、来ないで、だめ。おかあさんたすけて、あ、あ、いや、あ、あ、あ あああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああ


叩いて倒して蹴って転がして引きずって殴って折って捲って剥がして晒し て笑って嘲って刺して刔って斬って広げて焼いて打ち付けて潰して引っ張って埋 めて―――歌を紡げばはいおしまい。






少年たちは仇を討った。
復讐した。
たとえそれが自己満足でしかなかったとしても、少女を殺したことに一切の後悔はなかった。
それが友人の望みであったから。
けれど少年たちの心に満足感はなく、空しさしか残らなかった。
確かにきっかけは少女だったのかもしれない。
しかし、追い詰めたのは自分たちなのだという罪の意識が、彼らの中には確かに残っていたのだ。
少女を殺したところで少年は戻ってこない。
それは覆すことの出来ない事実だった。
後に残るは、悲痛な涙と懺悔の言葉だけだった。













命を乞うもの、許しを乞うもの